ポアンカレ予想

今日、たまたまNHKをつけたときに今晩の番組紹介をしていて、面白そうだったので、しゃべくり007を見ないでこっちを見た。
NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか〜天才数学者 失踪の謎〜」
http://www.nhk.or.jp/special/onair/090309.html

2007年に放送されたもののアンコール放送らしいですが・・・おもしろかった!


100年の難問というのが、「ポアンカレ予想」です。
ロープの説明は、最初は「?」と思いましたが、見ていくにつれてわかりました。
多くの数学者が取り組んで解くことが出来なかったポアンカレ予想をついに証明したのがロシアのペレリマン博士です。しかし、彼はその後失踪してしまいます。
何故、失踪したのかの鍵を握るのが、それまでポアンカレ予想に挑戦してきた数学者達という話で、「何で他の人が関係あるんだ」と思っていたけれど、見ていたら、数学者というのはかなりどっぷり数学の世界に嵌るため、現実社会と行き来するのが大変らしいことがわかりました。


ポアンカレ予想を証明しようとした数学者はみんな、「天才」と称されるような人たちばかりでしたが、そんな天才が集まっても証明はできませんでした。
ただ、この答えに近づく別のアプローチをしたサーストン博士が、サーストンの幾何化予想といわれる考えを打ち立て、それを証明できればポアンカレ予想も証明できるというところにまではなり、ペレリマン博士はこれを証明した・・・ということで多分良かったと思うんですが。


この問いかけは、トポロジーといわれる分野のものだそうですが、しかしペレリマン博士は、これを微分幾何学(だったっけ)と物理学を駆使して証明したのだそうです。これを、トポロジーを用いての証明をずっと試みてきた数学者達は、全く理解できなかったのだそうです。
熱を用いて宇宙を膨らませたりして証明したんだとか。


本当にさっぱりです。
当然この理論については全くわからないのですが、それでもとても面白かったのです。


この説明を見ていた数学者が、「ポアンカレ予想が証明されてしまったことに落胆し、その証明にトポロジーが使われなかったことに落胆し、そしてこの証明が全く理解できなかったことに落胆した」というようなことを楽しそうに語っていました。


世界には天才と呼ばれる一握りの人たちがいて、しかしそれもはるかに超えてしまったら、いったいどんな世界を見ているんだろうかなどと思ってしまいました。
失踪と言っていますが、どうやら引きこもっているようで、かつての恩師が電話をしている場面なども出てきましたが、一人孤独な世界に行ってしまっているようでした。


しかし近頃、親しい友人に「今、興味があることがある」と話していたそうで、もしかしたらまた何かを見つけて人前に出てくるのかもしれません。




しかしびっくりなのは、この博士って私と10歳くらいしか違わないんだよねー。
この証明の論文がネットに載ったのは、2002年と2003年。
なので、この話に関わった数学者達のほとんどが生きているだけではなくてまだまだ現役の人たちばかりで話をしてくれるので、それがとても楽しかった。


数学の世界を語る人たちは、なんか中毒性のあるものに嵌っていくみたいでちょっと怖いけど。