フライ・ダディ・フライの原作含むネタバレ感想2

もしこれから見に行く人で、小説版を先に読むかどうか迷ってる人がいたら、個人的なおすすめはこの順番です。
レヴォリューションNo.3』→『映画版フライ〜』→『小説版フライ〜』
小説は先に読んでよかったかっていうとどちらともいえないんだけど、レヴォは先に読んだ方がいい気がする。


前回書いたの見ると自分の中で不満だらけに思われると思うかもしれないがそうでもない。
原作の入れて欲しいエピソードは沢山あるのだが、それを全部入れたら映画としていいかというとそういう話ではないと思う。
映画としては結構素直に爽やか気分になれるので、好きな部類だ。
でも、前回書いたところの他にどうしてもこれだけは、と言うのがある。


原作(っていうか、小説版?)では、おっさんが鍛えてる最中に挫折する場面がある。
レーニングの方は順調で着々と調子に乗ってきたおっさんが偶然娘を襲った相手を見かけるのだ。
そこでおっさんは自分の中の感情に愕然とするんだけど、そのシーンはどうしても入れて欲しかった。
自分は、小説版で一番すきなのは、実はここだった。
ここが削られるとは本当に思わなかったので、やっぱりちょっと物足りない。
これがなきゃ、順調に行きすぎだよー。賭けばれたシーンじゃ足りない。
これだけは、本当に不満。


でも、「娘を迎えに行かなくちゃいけないんだ」ってのがちゃんと伝わってきたし、おっさんとスンシンの関係が変わっていくところは、私は原作より好きだ。
山下は原作の設定だったら、あんなふうに吊られたら絶対何か不運があってありえない状態にならなきゃおかしいと思うけど、描いてある絵に笑ってしまった。


堤さんの走りっぷりも良かったし。
岡田君のスンシンも魅力的だったし、私が小説を読んでるときのこの話のスンシンってもうクサくてどうしようと思ったんだけど、同じセリフ言っててもなんか緩和されてるし。
おっさんは最初は本当に余計なものが付いてそうな顔つきをしていて、ラストではちゃんとそれが落ちたような顔をしてるのが凄い。別に冒頭が異常なわけじゃないのに。
スンシンは登場の時の目つきがただ睨んでるっていうだけじゃない迫力のある顔に見えたし、それがあるから木の上で急に子どもっぽい表情を見せたり、ラストで今までに無い笑顔を見せたりするのがいいなあと思う。

でやっぱり、最後の「楽しかったー!」って言うのが伝わってきたし、それに同調しちゃって、だからラストのおっさんが飛んでくところも爽快感があったし、よかったかなと。
ゾンビーズが面倒なことに首を突っ込んで面白くしていくのが伝わってきたし。


満点はあげられないけど、80点ぐらいはあげてもいいかなと思います。